JSA 公益社団法人 日本脳卒中協会 The Japan Stroke Association Boehringer Ingelheim

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脳梗塞で倒れたとき

夫が倒れたときのこと。

アシマ

あの日は、真夜中過ぎまでふたりでテレビのサッカーの試合を見ていました。その後、休もうとベッドに入ったときでした。明かりを消し、眠ろうとしたときに、夫の頭が傾いて、私の枕の上に落ちてきました。これと同じ白いブレスレットをしていました。このブレスレットが異変に気づかせてくれたのです。

夫がこちら側に倒れ込んできたときに、このブレスレットを引っ張ったんです。何度か引っ張るものだから、あなた、ふざけないでよ。ブレスレットがどうかしたの?と聞いたんです。どうしたの?と聞いた時には、すでに夫は口がきけない様子でした。まるで舌がくっついたみたいに。

そして、すぐに明かりをつけました。様子が変だと気がついたのです。よく見ると、夫の顔の左側が下がっていました。くちびるの端がこんなふうに。そのときはまだ夫が脳梗塞に襲われたなんて思いもしませんでした。

倒れたときの記憶はありますか。

オシム

幸運だったのは、倒れたとき妻や息子が家にいてくれたことだ。だからすぐに私の異常に気づいて、助けを呼んでくれた。

周りでたくさんのベルがガンガンと鳴っているような気がした。担架に乗せられて、下に降ろされていくのを待っている。まるでサーカスの見せ物みたいに引き回されて、とても明るい照明がたくさんついていて、誰かに目玉をのぞき込まれる。印象としては、耳元で自動車のクラクションを鳴らされているような気分だった。

そして、気がついたら病院にいた。その後、何度も、救急車の夢を見た。